小児歯科学雑誌
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口腔内写真を用いた永久歯初期齲蝕の評価
平野 慶子岡崎 好秀吉田 絵美金尾 晃杜 小浦Omar Rodis松村 誠士下野 勉山岸 敦押野 一志
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2008 年 46 巻 1 号 p. 59-66

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抄録

某小学校の4年,5年,6年生において永久前歯に初期齲蝕(白斑)を持つ児童35名103歯に,口腔衛生指導と2種類のフッ化物を配合した歯磨剤の供与を行った。その後,偏光フィルターを使用したデジタルカメラで撮影し,画像ソフトを使用してRGB分離を行ない,初期齲蝕の面積の測定を行って口腔衛生指導の効果を判定した。1.対象は4年生が12人(39歯)5年生が12人(32歯)6年生が11人(32歯)の計35名(103歯)であった。また分析した歯種は60%が上顎左右中切歯であり,30%が上顎左右側切歯であった。2.全学年の平均1歯あたりの脱灰面積は1回目(開始時)指導時が9.3mm2,2回目指導時が7.6mm2,3回目指導時が6.3mm2と口腔衛生指導が進むにつれて減少が認められ1回目と2回目,1回目と3回目では有意な差を認めた。また各学年別では同様に1回目と2,3回目の面積を比較したところ1回目と2回目は4年生のみ有意な差を認め,1回目と3回目ではすべての学年に有意な差を認めた。3.初期齲蝕面積においては約41%の歯が2回目,3回目と連続して減少し,約22%の歯が2回目で一度減少した後に3回目で増加し,約25%の歯が2回目で一度増加した後3回目で減少した。約8%の歯は2回目,3回目と増加を続けた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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