日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−03 体操選手における着地時の視線安定
とび1回ひねりに着目して
*佐藤 佑介鳥居 修晃佐々木 正晴
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p. 110_3

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抄録

 体操選手は、空中においてパフォーマンスを行う際、眼球と頭部の協応運動を介して適切な視線行動を起こすことにより高度な成果を収めることができるといわれている。とりわけ、床面に着地する際の視線行動が重要であるとされている。本研究では、体操選手がとび1回ひねり遂行中に行う眼球および頭部の運動を同時に測定し、その視線行動を明らかにすることを目的としている。とび1回ひねりとは、直立姿勢のまま真上に跳び、身体垂直軸を中心に360°回転して着地する運動であり、実験参加者は体操競技の経験者および未経験者の2群である。左右方向の眼球運動をEOG(electrooculography)法で測定し、頭部を含む身体運動をハイスピードデジタルカメラで撮影し、その眼球の回転角度と頭部の回転角度とを加算し、とびひねり遂行中における視線方向を算出した。その結果、両群の参加者とも着地直前に視線が安定化する傾向を示したが、体操選手の方がその安定化が早期に生じ、その時間も長いことが見出された。着地動作を確実にする視線行動とは、その直前で視線の安定化を図る行動であり、それを通して外界を「見る」ことが重要であると考えられる。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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