日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−05 時間制約下での意思決定
期待利得の変化が意思決定方略に与える影響の検討
*女川 亮司進矢 正宏工藤 和俊
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p. 111_2

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抄録

 本研究は、時間経過によって期待利得が変化する状況での意思決定を検討した。ベイズ意思決定論では、期待利得が獲得可能な利得と成功確率によって推定される意思決定モデルが示されている。このモデルでは、期待利得が最大となる意思決定方略が最適であるが、いくつかの実験において非最適な意思決定方略が選択されることが報告されている(e.g. Wu et al.、2006; Ota et al.、2015)。このモデルでは期待利得の時間変化を考慮していないのに対し、スポーツにおける意思決定は時間制約を受け、利得や成功確率が時々刻々と変化する中で行われる。このような状況では時間的な不確実性が付加されるため、最適な意思決定をとることが更に困難になる可能性がある。そこで本研究は期待利得が漸減する複数ターゲットに対する選択反応課題を用い、時間的に期待利得が変化する状況での意思決定方略を分析した。期待利得の漸減は「利得関数の変化」と「成功確率の変化」の2条件によって生じさせた。その結果、期待利得の時間変化が意思決定方略に影響を与える可能性が示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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