日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−06 テニスにおける打球落下位置の分散推定
過小バイアスおよび等方性バイアスの検討
*山本 浩之進矢 正宏工藤 和俊
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p. 111_3

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抄録

 本研究は、テニスにおける打球分散推定および評価の熟達差を検討した。これまでの研究は、熟練者ほど打球分散が小さいことを明らかにしてきた(Sakurai et al.、2000)。また、種目歴の長い者ほど、打球分散を適切に推定できると考えられる。特に、ミスによるポイントの帰結が多いとされるテニスにおいて、この認知的能力は重要である。一方、運動分散に対する内部表現では、過小バイアスおよび等方性バイアスという認知バイアスが報告されている(Zhang et al.、2015)。よって、テニス歴の長い者であっても、認知バイアスが生じている可能性がある。そこで本研究では、テニスの打球調節課題を行い、分散推定の認知バイアスについて検討した。参加者は、アマチュアテニスプレーヤー35名であった。参加者は、二変量正規分布を仮定したPC上のシミュレーションで、x,y方向の標準偏差、相関係数のパラメータ操作により、打球分散の事前分布を推定した。次に、的へフォアハンドストロークを50球、打球した。全打球後、事後分布を評価した。分析指標として、誤差距離、誤差楕円面積を用いた。結果として、テニス歴の長い者であっても、事前分布を等方性傾向に推定することが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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