主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 112_2
本研究では、競技熟練者が有する、意識には上らない微細な身体動作の変化に対する判別能力を調べることを目的とした。実験参加者は野球熟練者8名、非熟練者9名の計17名であった。観察映像にはCGで作成した投手の投球映像を用いた。投球映像は標準刺激となる動作を基準に投球腕側の肩外転角を操作した10種類を作成し、ランダムに呈示した(計400試行)。実験参加者には呈示された投球動作の投球腕の位置が標準刺激に比べて高いか低いか、その回答への確信度(50%-100%)を口頭にて回答させた。結果、野球熟練者と非熟練者での投球動作に対する主観的等価点は熟練者が優れている傾向が見られた。また、25%-75%弁別閾について、熟練者の範囲は非熟練者に比べて狭く、熟練者の微細な動作変化に対する判別能力の高さが示唆された。本実験では、回答に対する確信度についても同時に回答を求めたが、熟練者では回答の確信度に応じて高い正答率が得られる傾向が顕著であった。