日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−09 大学生トップアスリートのキャリアステータスとライフスキルとの関連
大学卒業後4年間にわたる縦断調査からの検討
*島本 好平清水 聖志人久木留 毅土屋 裕睦
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p. 112_3

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抄録

 本研究では、ライフスキル(以下、LS)を活用したキャリア形成プログラムの開発に求められる知見を抽出することを目的に、高校及び大学生時代に優秀な競技成績を残して2011年3月に大学を卒業した男子レスリング競技者24名を対象として、4年間5時点(2011年、2012年、2013年、2014年、2015年のいずれも春期)にわたる縦断調査を実施した(有効回答率87.5%)。各々の調査ではキャリアステータス(正規雇用・非正規雇用・アルバイト等)を問う項目に加え、アスリートに求められるLSを10側面から評価可能な尺度を実施した。分析の結果、大学生トップアスリートの卒業後におけるLSのレベルの変動、キャリアステータスの推移等を長期的にモニタリングすることで、以下の3つの知見を得ることができた。1)卒業時点での正規雇用獲得者は21名中7名しかいないものの、その割合は漸増し、卒業から4年後には17名が正規雇用を獲得していた。2)大学卒業後、LSのレベルは経時的に有意に変動しないことが示唆された。3)大学卒業後のキャリアステータス及び最終希望職の獲得と特定のLS(目標設定、考える力、最善の努力)とは、正に関連することが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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