主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 119_2
本研究の目的はスポーツ領域におけるコツ研究の現状と課題を把握することにあった。そこでは「スポーツ領域におけるコツ研究が抱える課題は何か」というリサーチ・クエスチョン(Research Question)を設定し、質的にアプローチした。具体的に「スポーツ」「コツ」というキーワードで論文を検索し、重要と思われる15本の論文を対象とした。対象論文の中でコツ研究の現状と課題を述べている箇所にラインを引き、質的データと位置づけ、質的統合法(山浦、2012)を参考に分析を行った。その結果、「【コツは非科学的であるという批判】の中【スポーツ運動学領域で隆盛】し【ジュニア期の効果的な指導法の確立のための基礎資料の獲得】を基に【コツに関連のある知見の蓄積】がなされている。その一方で【コツ自体を検討した研究は稀少】であるため【客観的な視点】のみならず【質を担保した質的研究の視点】から【他者との関わりの中でコツを捉える】ことや【新たな運動課題を研究対象とする】といった課題が挙げられている」という仮説的知見を導き出すに至った。