主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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バスケットボールにおいて、3ポイントシュートを担う長距離シューターは、シュート時に時間的・空間的制約を受け、強いプレッシャーに曝され易い。成功率の高い優れた選手の語りを分析したところ、シュート時には「何も考えない」、「周りに左右されない」といった強力な集中状態が報告された。また指導者は、「シュートへの集中」、「成功への強い自信」、「エゴイスト」あるいは「利己的な原因帰属のバイアス」などの性格的側面を挙げた。つまり、心理的ストレスに曝される中でも、パフォーマンス維持を可能にする注意集中などの心理状態と、これらを導く性格特性があり、長距離シューターとしての「利己主義」がその要件になると考えられる。本研究では、長距離シューターのシュート時の心理状態と、必要な性格特性要件について検討した。様々なプレッシャーとパフォーマンスの関係を、心理的ストレッサーとストレス反応の関係とし、この関係を媒介あるいは調整する変数として心理状態と性格特性を想定した。そして、質的分析により得られた「利己主義」がシューターに必要な注意集中を高め、パフォーマンス低下を抑制するという仮説を質問紙法を用いて分析・検証した。