主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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自己肯定感の類似概念である自己効力感が高いスポーツ選手は成功経験を重ねることで、自己の有用感を高め、競技不安を減少させる(高野ら、2015)。また、杉浦(1996)はスポーツを通して運動適正としてのパーソナリティが変容する可能性があると述べている。そこで本研究では、競技不安の減少が自己肯定感に規定されること、その関係が集団競技と個人競技といった経験する競技形態によって異なるかどうかを検討した。調査対象者はスポーツ経験のある高校生と大学生の男女415名であった。対象者に対し「自己肯定性次元を測定する尺度」(平石、1990)と「スポーツ特性-状態不安診断検査:TAIS.2& SAIS.2」の2種類の質問紙調査を行った。なお、自己肯定性次元尺度は、原尺度の理念と質問項目を基に、因子分析により2つの下位尺度(対自己領域と対他者領域)で構成される新たな尺度を作成した。そして、それぞれの下位尺度得点の高さを基準に分類した3群(自己肯定感要因)と、競技種要因(集団競技、個人競技)の2要因を独立変数、競技不安を従属変数とした二要因分散分析を行った。その結果、対他者領域の高群と低群間における競技不安に有意な差が認められた。