主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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スポーツの審判員は試合で重要な役割を果たしており様々なプレッシャー等を受けるが審判員の心理的特性については不明な点が多い。そこで本研究では野球の審判員を対象として定量的に心理的特性を評価することを目的とした。70名の野球審判員を対象として審判の心理的スキルを評価するために開発された24項目(6因子×4項目)の質問紙を用いて、5件法で回答させた。その結果、各因子の平均点は、自己コントロール3.4±0.7点、表出力3.6±0.6点、意欲4.4±0.5点、自信3.2±0.7点、コミュニケーション4.2±0.4点、集中力3.8±0.6点であった。審判資格の有無による違いを検討した結果(有資格者22名)、有意な差はみられなかったが、自己コントロールでは有資格者が約1点高い値であった。また、有資格者は得点と年齢および審判歴に有意な相関は示さなかったが、資格を保持しない審判員では自己コントロールと年齢に有意な正の相関がみられ、コミュニケーションおよび集中力と年齢に正の相関の傾向がみられた。このことから、野球の審判有資格者は年齢や経験年数によらず心理的なスキルを保持していることが示唆された。