主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 132_1
本研究では、タイムプレッシャー(以下:TP)がN-back課題遂行時の処理資源に及ぼす影響を事象関連電位(以下:ERP)から検討することを目的とした。実験参加者は、体育専攻学生10名(平均年齢:20.21 ± 0.79歳)であった。課題には、TPの有無の両条件下でN-back課題(0—3back課題)を利用した。TPあり条件では制限時間を550msとし、実験参加者には制限時間内に反応できなかった場合にフィードバック音が鳴ることを事前に教示した。制限時間については、白石・宮谷(2005)のTP研究での中程度のTP(550ms)を採用した。一方、TPなし条件では制限時間を教示せず、次の刺激に切り替わるまでに反応できなかった場合にはフィードバック音が鳴らないよう設定し、できる限り速くかつ正確に反応するよう事前に教示した。そして、両条件ともに課題遂行中のERPを測定した。その結果、行動測度である反応時間は、TPによって有意に短縮し、TPによって正答率は有意に低下した。生理指標であるERPをみると、TPあり条件はTPなし条件よりP300振幅が有意に増大した。以上から、TPという負荷が加わることで、課題遂行時により多くの処理資源を要していることが明らかとなった。