主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 190_3
運動部活動をめぐる課題や論点は多岐にわたるが、それらの多くは、この教育システムを成立させている制度(法・組織)あるいは人(教員・指導者)の問題に焦点化される。こうした制度や人の問題について、体育・スポーツ経営学には必ずしも十分な研究蓄積があるとはいえず、外部指導者についても制度の運用レベルでの議論、とくに実証研究については手つかずの状況にある。こうした研究状況をふまえ、作野(2013)は外部指導者の活用に向けた外部との連携に関わる条件整備や運営をめぐって現在どのような問題があり、またどのような方策を講じることが有効かについて検討を行った。そしてここから、条件整備の視点として「コーディネート(調整)」「スキャニング(探索)」「インセンティブ(報酬)」という3つの視点を仮説的に導出し、今後の実証研究に向けた研究フレームの構築に見通しをつけた。本研究の目的は、学校運動部活動において注目を集める外部指導者の効果的活用に向けた条件整備の方策について、上述の分析視点から、制度の運用において重要な役割を果たす行政の具体的な活動内容、実施に伴う問題点、さらに予想される問題への対応等を検討することである。