日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(14) 介護福祉・健康づくり
14介−26−ポ−03 地域高齢女性における体格、体力、ADLおよび運動習慣の関係について
特に体脂肪率に着目して
*原田 隆加藤 恵子山本 ちか百合草 誠
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p. 352_3

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抄録

 地域高齢女性の体格、体力、ADLおよび運動習慣の関係を、特に体脂肪率に着目して比較検討した。対象者は地域高齢女性76名(72.7 ± 4.3歳)である。体脂肪率30%未満をA群(n=32、体脂肪率24.5 ±3.9%)、30%以上をB群(n=44、体脂肪率36.2 ±3.8%)とした。測定項目はADL・新体力テスト(文科省)、体格測定(In Body720)、骨密度測定(ALOKA社製AOS-100)、生活習慣調査を行った。その結果、体格面ではB群はA群に対し、身長、体重、BMI、OSI(音響的骨評価値)は有意に高く、骨格筋量には差はないが、骨格筋率(骨格筋量/体重)は有意に低い値を示した。体力面ではB群は上体起こし、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行、体力測定総合得点、またADL総合得点で有意に低い値を示した。運動実施状況ではB群は週当たりの実施頻度が低い傾向がみられた。これらのことから、高齢女性における体脂肪量は体力、ADLの低下の原因となる可能性があることが示唆された。適切な運動習慣と運動量を獲得することにより、骨格筋量を維持向上させ、骨格筋率の低下予防に努めることが、健康寿命延伸に繋がるものと考えられる。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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