日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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シンポジウム
高齢者の運動のあり方
高齢者の運動習慣獲得のために、マルチ体操プログラムの考案とその効果
吉中 康子
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p. 72_1

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抄録

 高齢者の健康余命の延伸には、主に生活習慣病や廃用性萎縮を起因とする機能障害への予防的介入が不可欠といわれ、運動のはたす役割が再認識されるようになってきた。我々は現在、地域で現実的に実施可能な方法を用いて運動介入をしながら、前向きコホート研究(亀岡スタディ)を進めている。今回は、このような取り組みの中から、演者が提供している『マルチ体操プログラム』について報告する。

 本プログラムは、①誰もが楽しく実施可能、②多種多様な生活動作を含む、③有酸素運動の効果、④グループダイナミクスの楽しさ、⑤音楽の利用、⑥参加者同士の交流、を特徴とする。なお、運動は、低負荷強度とし、立位と座位のバージョンを設け、虚弱高齢者にも実施可能なものとした。

 3ヶ月の介入により筋量や体脂肪率、下肢筋力などを有意に改善させた。この体操は、我々が設立した「NPO法人元気アッププロジェクト」が運営する「元気アップ体操教室」で地域展開し、教室への参加者数増加と継続率向上、演者が企画した「体操祭」に参加するなど、大きな広がりに発展している。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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