抄録
症例は58歳女性.1997年に近医で原発性胆汁性肝硬変(PBC)と診断された.2001年に溶連菌感染による丹毒,および急性糸球体腎炎を発症し,当院に入院した.入院時より汎血球減少,甲状腺機能低下があり,ACTH単独欠損症と診断された.また,この際,橋本病と診断された.ハイドロコルチゾン内服開始後汎血球減少,甲状腺機能低下症ともに改善し退院した.2007年めまい,嘔吐,体動困難のため当院に入院した.副腎不全に伴う症状であり,ステロイド投与後一時状態は改善したが,その後肺炎を発症し呼吸不全およびDICによる多臓器不全のため永眠した.PBCとACTH単独欠損症はともに自己免疫疾患と考えられているが検索の範囲では合併例の報告は1例のみであった.貴重な症例と考えられたため若干の考察を加え報告する.