日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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合同シンポジウム
学校体育の立場から「国際憲章」の意義と可能性を探る
森 敏生
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p. 7_2

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抄録

 78国際憲章から2015国際憲章への展開を念頭におきつつ、2015国際憲章が日本の学校体育にいかなる意義や可能性をもつか、その展望について論じたい。

 78国際憲章とも呼応してわが国で体育・スポーツを権利と捉える論議は70年代に集中的になされた。スポーツ権論は学校体育の目的・内容論の革新的提案につながったが、70年代以降の生涯スポーツを志向する指導要領は愛好的態度に傾斜した「楽しい体育」路線を取った。78国際憲章が学校体育の学習内容に位置づくには現行指導要領(2008)を待たなければならなかった。

 2015国際憲章は今日の学校体育をめぐる問題の解決方向を示唆する理念・理想を内在させている。子どもの貧困率の高さが社会問題となるなか子どもの身体活動能力の格差に対して、すべての子どもに対する質の高い学校体育の保障が切実な課題となっている。また部活指導における暴力や「指導死」、あるいは体育行事における組体操の安全性をめぐる問題など、基本的人権を視座とした学校体育の改革は不可避である。さらに2020東京五輪をひかえ五輪教育のあり方も問われる。こうした諸問題・諸課題の解決にむけ、わが国の学校体育改革に対して2015国際憲章がもつ意義や可能性、その展望を論じてみたい。

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