日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第68回(2017)
会議情報

一般研究発表(04) 運動生理学
04生−09−ポ−13(13) 競技者における捕球時の視線戦略の特徴
*横尾 愛理大田 穂岩間 圭祐木塚 朝博小野 誠司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 137_2

詳細
抄録

 本研究では、捕球技能レベルの違う女子大学生を対象とし、捕球動作に伴う視線移動時の頭部の動きの違いを明らかにすることを目的とした。対象者は、ソフトボール選手(ソフト群)、運動習慣のある大学生(競技者群)、運動習慣のない大学生(非競技者群)とした。対象者から9mの位置に硬式テニスボール発射機を設置し、ボールスピードを2段階に設定した。対象者は、高さの調節可能な椅子に座り、それぞれ10球ずつ捕球した。捕球時にジャイロセンサーと眼電図により、最大頭部角速度と眼球速度を測定した。その結果、最大頭部角速度と眼球速度はいずれも、ソフト群・競技者群は非競技者群に比べ有意に小さい値を示した。このことから、ソフト群・競技者群は、視線を一定に保ったまま周辺視野でボールを捉える能力が優れているため、頭部と眼球の動きが少ないことが示唆された。また、非競技者群は、ボールを見ることに慣れておらずボールの軌道を頭部の上下運動によって追っていること、向かってくるボールに対する恐怖心により逃避動作が起こるため身体が逃げるのと同時に頭部も動いていることが推察された。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top