主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 138_1
本研究の目的は、飛込競技者の宙返り時の筋活動の特徴について、表面筋電図を用いて明らかにすることである。被験者は、大学飛込競技者男子6名、女子3名の計9名(年齢:21±1歳、身長168±20cm、体重59.45±16.45kg)とし、競技成績に基づいて熟練者群と非熟練者群に分類した。試技は、陸上での前方宙返りと後方宙返りとし、試技中の筋電図は多チャネルテレメータシステムWEB-7000(日本光電社製)を用いて記録した。被験筋は、三角筋、広背筋、腹直筋上部、腹直筋下部、脊柱起立筋、中殿筋とした。筋活動量はRMSの値をMVC発揮時の筋活動で正規化し、%RMS値を算出した。群間において有意差が認められたのは、後方宙返り試技における区間1の三角筋のみであった。後方宙返り区間1は、手を振り下ろし始めた瞬間からつま先が地面から離れる瞬間とした。この区間では、熟練者群が非熟練者群よりも、三角筋の筋活動量が大きい値を示した。したがって、熟練者群の手の振り下げから振り上げまでの速度が、非熟練者群よりも有意に速いことが三角筋の筋活動量に反映されたものと考えられる。