主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第68回大会
開催地: 静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
開催日: 2017/09/08 - 2017/09/10
p. 138_3
低強度での持続的な関節トルク発揮の際、協働筋の各筋では、活動・休息の時間が繰り返されている。この現象を活動交代と言い、各筋の筋疲労の低減に関連している可能性がある。本研究では、最大随意収縮時のピークトルクの10%に相当する強度で1時間の等尺性足関節底屈トルクを発揮させ、その前後における腓腹筋内側頭(MG)及び外側頭(LG)、ヒラメ筋(SOL)の各筋の剛性率を筋疲労の指標とし、超音波剪断波エラストグラフィを用いて定量した。健常若年男性19名の内、1名は疲労課題を最後まで遂行できず、また別の2名は、MGにおいて活動交代がまったく見られなかったため、分析の対象外とした。1時間の疲労課題中、MG及びSOLの筋活動量は、LGのそれよりも有意に高い値を示した。しかしながら、MGの剛性率は疲労課題後に有意に増加(11%)したものの、SOLの剛性率は疲労課題前後で有意に変化しなかった。また、MGにおける活動交代の回数(中央値:33回)は、SOLのそれ(中央値:30回)よりも有意に高い値を示した。これらの結果から、疲労課題中のMGの疲労の大きさが、幾度となく活動交代を引き起こしていたことが示唆される。