日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第68回(2017)
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一般研究発表(04) 運動生理学
04生−09−ポ−17(17) 低強度での持続的な関節トルク発揮に伴う筋剛性率変化から協働筋間の活動交代を考える
足関節底屈筋群を対象として
*赤木 亮太江間 諒一
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p. 138_3

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抄録

 低強度での持続的な関節トルク発揮の際、協働筋の各筋では、活動・休息の時間が繰り返されている。この現象を活動交代と言い、各筋の筋疲労の低減に関連している可能性がある。本研究では、最大随意収縮時のピークトルクの10%に相当する強度で1時間の等尺性足関節底屈トルクを発揮させ、その前後における腓腹筋内側頭(MG)及び外側頭(LG)、ヒラメ筋(SOL)の各筋の剛性率を筋疲労の指標とし、超音波剪断波エラストグラフィを用いて定量した。健常若年男性19名の内、1名は疲労課題を最後まで遂行できず、また別の2名は、MGにおいて活動交代がまったく見られなかったため、分析の対象外とした。1時間の疲労課題中、MG及びSOLの筋活動量は、LGのそれよりも有意に高い値を示した。しかしながら、MGの剛性率は疲労課題後に有意に増加(11%)したものの、SOLの剛性率は疲労課題前後で有意に変化しなかった。また、MGにおける活動交代の回数(中央値:33回)は、SOLのそれ(中央値:30回)よりも有意に高い値を示した。これらの結果から、疲労課題中のMGの疲労の大きさが、幾度となく活動交代を引き起こしていたことが示唆される。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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