日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(05) バイオメカニクス
05バ−10−ポ−11(11) 短距離走の最大速度局面における滞空比と上肢および回復脚の相対鉛直加速度との関係
*豊嶋 陵司桜井 伸二
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p. 152_2

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抄録

 短距離走において、高い速度で疾走するためには、支持時間が短くなる中でも滞空時間を確保することが必要である。本研究の目的は、短距離走の最大速度局面において、滞空比(=滞空時間/支持時間)と上肢および回復脚の相対鉛直加速度との関係を明らかにすることであった。16名の男子学生短距離選手に、60mの全力疾走を行わせ、その50m付近を、毎秒300コマでビデオ撮影し、150Hzで身体特徴点をデジタイズした。両上肢および回復脚それぞれの質量中心点について、上肢は胸骨上縁に対する、回復脚は大転子中点に対する相対鉛直加速度を算出し、滞空比との関係を分析した。滞空比は、支持時間が短いほど、また、滞空時間が長いほど高い値を示した。右上肢、左上肢および回復脚は全て、接地直後の相対鉛直加速度が高いことが、高い滞空比に関係していた。接地直後は、地面反力の鉛直成分が、身体重心の下方への運動量を止めるために働くことから、上肢および回復脚の鉛直方向への加速度を高めることは、身体重心の下降を早く止めることに貢献し、短い支持時間でも滞空時間を確保するための力積を獲得することに関係していると推察される。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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