09方−09−ポ−16（46） タブレットとe-Learningシステムを使った「実技ノート」の試み

抄録

　体育系大学の実技授業において、これまで筆者らは紙による「実技ノート」を学生に提供し、自身の技術習得過程や上達過程を記録させてきた。この方法では記述者による主観的な記録は残せるものの客観的な情報を残しづらいという問題があった。そこで我々は、e-Learningシステムを用いたWebを通じて利用できる電子的な実技ノートを作成し、授業で使用することを試みた。このノートには文字の情報だけでなく、ビデオや写真などの客観的な情報を保存できる。学生は所有するタブレットを使ってビデオ等の撮影と、実技ノートへの情報の記録を行った。

　e-Learningシステムを用いることによって、教員と学生とが実技ノートを共有しつつ、学習活動を行うことができるようになった。また、電子的な実技ノートには、学習者の主観的情報と客観的情報が併せて記載されていることから、自らの技術習得の過程をより明確に振り返ることができるようになった。学生が日常的に使用するe-Learningシステムを用いたことで、操作や入力に戸惑うことも無く、円滑に授業を実施できた。