日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(09) 体育方法
09方−09−ポ−55(105) 柔道競技における組み手の戦術行動による投げ技効力の判別
*伊藤 潔廣瀬 伸良前川 直也
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p. 239_1

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抄録

 我が国においては、柔道着の「袖」、「襟」を掴んでの施技が最も合理的な組み手であるとされ、それゆえ、スタンダードな組手部位であると考えられてきたが、我々の先行研究ではGrand Slam Paris 2013男子競技においてポイント取得に至る施技時の組手部位の63.2%が少なくとも片手で「袖」、「襟」以外の部位を掴んでいたことが明らかになった。また、一旦両手で相手を掴み、その後、組手部位を変えての施技によるポイント比率が41.3%とグリップチェンジ戦術の有効性が示唆された。しかしながら、組み手の行動は一連の動作であり、「組み手の部位」や「グリップチェンジの有無」などの単一の変数のみで施技効力の予測することは危険であると言わざるをえない。そこで我々は組み手の一連の動作の中から「グリップチェンジ」「クロスグリップ」「グリップターゲット」の組手戦術行動を抽出し、施技効力の指標である「一本」と「技あり・有効」との判別が可能であるかを検討した。その結果、「階級別」に「相四つ」と「ケンカ四つ」に分けて解析したところ、全ての階級において組手戦術行動により施技効力を精度高く判別することはできなかった。

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