日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(11) 体育科教育学
11教−09−口−04 ボール運動における「技能発揮テスト」が戦術理解に与える影響
*三本 雄樹大庭 昌昭
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p. 255_1

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抄録

 平川(2017)は「既習で身につけた知識を生かして、今の課題について思考するというサイクルを重要視したい。」と述べている。そこで本研究では、3年生ボール運動領域(ゴール型ゲーム)の単元において、毎時間の終わりに振り返りとして行った「技能発揮テスト」が、児童の戦術理解にどのような影響を与えるのかを検討することを目的とした。具体的には、ディフェンスの人数や位置を指定したゲームでの状況を図示し、この際、どのような技能を発揮しようとするのかを各児童に自由に記述させた。単元前半の3時間ではディフェンスを1名、単元後半の3時間ではディフェンスを2名とした。各児童が記述した内容をRichardson and Henningerの戦術的情況判断能力(以下、TDCと表記)を基に、4つのレベルに分類した。その結果、単元前半の3時間では、Level3(自分と味方のチームメイトと、さらに対戦相手にまで意識が向いている段階)の出現率が増加していく傾向が確認された。また、ディフェンスの人数が2名になった4時間目では、Level3の出現率が減少したが、その後の5・6時間目では、Level3の出現率が再び増加した。

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© 2017 一般社団法人 日本体育学会
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