日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第68回(2017)
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一般研究発表(11) 体育科教育学
11教−09−口−26 体育科授業研究組織におけるミドルリーダーに関する一考察
ミドルリーダーに社会化するプロセスに着目して
*鈴木 聡内田 雄三近藤 智靖山口 拓
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p. 262_2

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抄録

 教師が行う授業研究において、研究組織をリードする教師の存在は大きい。教師の大量採用時代を迎え、ミドルリーダーの育成は急務の課題である。発表者らは、体育科を研究する小学校教師に質問紙調査を行い、ミドルリーダーに求められる職能を検討した。職能は、「授業研究力」「行動力」「指導力」「自身・明るさ」であり、ミドルリーダーのタイプは、「パフォーマンス型」「メンテナンス型」「マネジメント型」「プレーヤー型」に整理できた。教師の職歴や職階等の立場によって求める像には差異があることを加味し、職能構造を明らかにしたが、いかにして「ミドルリーダー像」を身に付けるのかという点については課題となった。そこで本研究は、質問紙調査結果を再検討し、教師へのインタビュー調査を加えて「ミドルリーダーになっていくプロセス」を検討することを目的とした。結果、ミドルリーダーは、自身も研究をしながら葛藤したり調整したり合意形成を促したりする俯瞰的な役割を遂行することで、成長実感を得ることが考察された。それは、研究対象や内容に没入しつつも距離を置きながら社会化されていく過程だと捉えられた。発表にてその内実を詳細に報告する。

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