日本体育学会大会予稿集
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第69回(2018)
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一般研究発表(05) バイオメカニクス
05バ-25-口-09 野球打撃における球種の組合せが打者のタイミング制御に及ぼす影響
*城所 収二
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p. 136_3

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抄録

 本研究は、1球前の球種が直後のスイングのタイミング制御に与える影響を明らかにすることを目的とした。熟練した高校野球選手26名に、マシン打撃を行わせた。投球は、直球(125km/h)・カーブ(90km/h)・スローボール(90km/h)の3球種とした。これらの3球種に対し、(a)事前に球種を伝え、同一球種を5球続ける連続条件、(b)球種を事前に伝えず、3球種を投げ分けるランダム条件、(c)次に投じる球種を事前に伝えて投げ分ける開示条件、の3条件で打撃させた。測定中の運動を、モーションキャプチャにより記録した。インパクトの前後位置からタイミング誤差を算出し、打撃条件×当該試技の球種×1球前の球種の3要因で、タイミング誤差が異なるのかを検定した。その結果、タイミング誤差は、いずれの球種でもランダム条件が開示条件よりも有意に大きかったが(p < 0.05)、1 球前の球種には差が認められなかった(p > 0.05)。また、スローボールはカーブよりもタイミング誤差が大きく(p < 0.05)、球種の判別を遅らせる有効な球種であることが示された。以上より、打者のタイミングは1球前の球種によらず、当該試技の球種と球種を事前に把握しているかどうかに左右されることが示された。

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