主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第69回大会
開催地: 徳島大学常三島キャンパス/あわぎんホール
開催日: 2018/08/24 - 2018/08/26
p. 276_3
8世紀に日本へ伝来したとされている「蹴鞠」は、院政時代、貴族によって様式が確立し、「公家鞠」として広がりを見せた。「公家鞠」については、渡辺融氏、桑山浩然氏の「蹴鞠の研究-公家鞠の成立-」によってまとめられている。江戸時代、鎖国のための諸政策も完了して安定を迎えた正保年間(1644-1647)に入ると、蹴鞠は富裕な町人層が愛好するまでに拡大し、大衆化が進行した。その過程で、作法やしきたりが簡素化し、鞠場や鞠足たちの数も縮小された。この結果、「地下鞠」では、姿勢やフォームにとらわれずに鞠を蹴り続けるようになり、アクロバティックな技術も現れるようになった。このように独自の変化を遂げた「地下鞠」を、「地下鞠」の技術書である「中撰実又記・下巻」をもとに理解し、再現することを試みる。