日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第69回(2018)
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一般研究発表(12) スポーツ人類学
12人-24-口-03 地下鞠の技術構造について
中撰実又記をもとに
*阿羅 功也
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p. 276_3

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抄録

 8世紀に日本へ伝来したとされている「蹴鞠」は、院政時代、貴族によって様式が確立し、「公家鞠」として広がりを見せた。「公家鞠」については、渡辺融氏、桑山浩然氏の「蹴鞠の研究-公家鞠の成立-」によってまとめられている。江戸時代、鎖国のための諸政策も完了して安定を迎えた正保年間(1644-1647)に入ると、蹴鞠は富裕な町人層が愛好するまでに拡大し、大衆化が進行した。その過程で、作法やしきたりが簡素化し、鞠場や鞠足たちの数も縮小された。この結果、「地下鞠」では、姿勢やフォームにとらわれずに鞠を蹴り続けるようになり、アクロバティックな技術も現れるようになった。このように独自の変化を遂げた「地下鞠」を、「地下鞠」の技術書である「中撰実又記・下巻」をもとに理解し、再現することを試みる。

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