主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第69回大会
開催地: 徳島大学常三島キャンパス/あわぎんホール
開催日: 2018/08/24 - 2018/08/26
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本研究の目的は、発達障害児を対象に運動プログラム「Ballschule(バルシューレ)」を実践し、発達障害児が取り組む意義や学校現場における実践可能性について検討することである。
バルシューレは、ハイデルベルク大学で開発されたボール運動プログラムであり、次の4つの指導原理が特徴である(大山・奥田、2017)。1)多種目に共通する能力の獲得を目標とし、多種多様な運動をさせること。2)発達段階に応じたプログラムとすること。3)子どもが楽しむことを最重要視すること。4)ゲームに必要な技能を細かく指導したり、欠点を治すよう指摘したりせず、潜在的学習を基本とすること。
A小学校の児童11名を対象に、体つくりの授業において1回45分、4度実践し(2017年10月~11月)、撮影及び参観した教員・保護者に対するインタビューを行った。分析の結果、楽しむことを大切にし、ゲームの成否や児童の動作を指摘しない指導方針が、不器用な児童や失敗に抵抗感がある児童の積極的参加を促し、それによって日頃発現しない動作が引き出されたことが窺えた。また、体育を専門としない教員・保護者も日々の活動における導入のしやすさや、取り組むことの有効性を認識していた。