日本体育学会大会予稿集
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第69回(2018)
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一般研究発表(13) アダプテッド・スポーツ科学
13ア-25-ポ-12 小学校のインクルーシブ体育における指導体制による授業成果の特徴
*萩原 大河金山 千広國土 将平
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p. 293_2

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抄録

 【目的】障害児が通常学級で体育授業を行うには指導体制を考慮する必要がある。本研究は、小学校の体育授業を対象に指導体制によるインクルーシブ体育(IPE)の授業成果の特徴を明らかにすることを目的とした。

 【方法】兵庫県下の通常学級および特別支援学級の担任を対象に2017年8月に質問紙調査を実施し238名の回答を得た。調査内容はIPEの指導体制、障害児が通常学級で学習することによるIPEの授業成果であった。指導体制は「無意識」「個人指導」「複数指導」に分類した。IPEの授業成果の要因を明らかにするため因子分析によって因子を抽出した。その後、各因子を指導体制毎に比較するため分散分析を施した。

 【結果】障害児の体育授業において主に通常学級での実施は94.2%であった。授業成果の因子分析の結果、「インクルージョン」「授業のやりにくさ」「児童の不満」の因子が抽出された。分散分析ならびに多重比較の結果、インクルージョンは複数指導が個人指導より有意に良好であった。また児童の不満は、複数指導が他の指導体制より有意に低くかった。

 【結論】複数指導はIPEの教育成果が高く、不満が軽減される指導体制と認識されている。

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