日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第72回(2022)
セッションID: 3Gym135-38-03
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運動生理学 ポスター発表
グレープフルーツ精油吸引およびダイナミックストレッチングが短時間高強度運動のパフォーマンスに及ぼす影響
*宮原 祐徹佐々木 悠里
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抄録

【目的】グレープフルーツ精油の吸引およびダイナミックストレッチング(Dynamic stretching:DS)は、それぞれ運動パフォーマンスを向上させることが示唆されており、これらの運動前の同時実施は相乗効果が期待されるが、明らかにされていない。そこで本研究では、グレープフルーツ精油吸引とDSの組み合わせが運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討した。【方法】被験者は自覚的嗅覚異常のない健常な男女大学生10名であった。被験者は、安静座位(Con)、グレープフルーツ精油(Aro)吸引、DS、Aro+DS(AD)のいずれかの前後で長座体前屈と二次元気分尺度(TDMS-ST)を測定した。その後、体重の7。5%の負荷での30秒間全力ペダリング(WAnT)を実施した。また、Aro吸引時において、香りの嗜好をビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて調査した。被験者はこれら4条件を1週間以上の間隔で順序効果を相殺するようにして実施した。【結果】TDMS-STについて、活性度および覚醒度のそれぞれに交互作用(条件×時間)がみられた。さらに、活性度および覚醒度のそれぞれにおいてAD群はCon群と比較して有意に高値を示し(p<0.05)、DS群はAro群と比較して有意に高値を示した(p<0.05)。長座体前屈において交互作用は見られなかったが、時間的主効果は見られた。WAnTのピークパワーにおいては、各条件間で有意な差が認められなかったが、WAnTのパワーの経時的な変化において交互作用が認められ、25秒の時点において、Con群と比較してAD群の方が有意に高値を示した(p<0.05)。【結論】グレープフルーツ精油吸引とダイナミックストレッチングの組み合わせは、気分を活動に適した状態に変化させ、短時間高強度運動のパフォーマンス低下を抑制することが示唆された。

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© 2022 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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