日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第72回(2022)
セッションID: 3Gym109-26-03
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体育方法 ポスター発表
平均台における〈後方倒立回転〉の動感促発に関する発生運動学的考察
*髙松 靖
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抄録

平均台は、幅の制限された面の上で歩・走・ターンやジャンプ・回転運動などを行う種目である。本研究で取り扱う〈後方倒立回転〉は、回転系の技に属している。金子(1974)は、その著『体操競技のコーチング』において、平均台の技の体系について、「回転系は、台上を転がる〈接転技群〉、台上に手と足を支えて回転する〈翻転技群〉、台上における宙返りや台上からの宙返り下りとしての〈宙返り技群〉の3つの系譜を認めうる。」と述べている。さらに、倒立回転技は、この中の〈翻転技群〉に位置づけられている。本研究で取り扱う〈後方倒立回転〉は、〈翻転技群〉の〈倒立回転技〉に属しており、現在の体操競技女子採点規則においてもA難度に位置づけられている技である。この技は、平均台の見えない後方(背中側)に回転を開始し、倒立を経過して再び足立ちになる運動経過をもち、身体のバランスの保ち方、腰の柔軟性、回転開始や回転加速などが必要となる。この技は、競技初級者にとってみたら、‘平均台に手を着けなかったらどうしよう’と、怖さを伴う技の一つである。

 本研究では、〈後方倒立回転〉の促発指導過程での、競技初級者の動感の変化と技の発生までの変容を発生運動学的立場から考察していく。そこでは、体操競技初級者である大学生が〈後方倒立回転〉の練習の際に、回転途中で技の遂行を止めてしまう現象を問題とし、技の発生までの指導者との動感交信と、動感の変容を反省分析していく。ここで得られた知見を提示することにより、今後、競技初級者がこの技を習得する際に手助けとなる資料としたい。

 本発表においては、促発指導場面において生じた動感変化と、運動発生までの様子を提示していく。

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© 2022 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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