日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第72回(2022)
セッションID: 3Gym244-57-08
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体育科教育学 ポスター発表
小学校体育授業における鉄棒運動の逆上がりに関する学習指導方略の検討
*針谷 美智子
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抄録

本研究は、小学校中学年児童を対象に鉄棒運動の逆上がりの獲得や動作の改善を目指した実践研究を行い、児童の技能の実態及び変容を検討することを目的とした。

 先行研究において、鉄棒運動に関する低学年の学習指導方略が検討され、第1、2学年のいずれの学年でも鉄棒運動の学習をすることで80%以上の児童が低学年の技能を習得することが明らかにされた。しかしながら、たとえ低学年の鉄棒運動の学習内容を網羅しても半数近い児童は、逆上がりができるようにならないという課題が残された(針谷ほか、2019)。そこで本研究では、小学校3年生47名を対象に逆上がりの獲得や動作の改善を目指した6時間の鉄棒運動の単元を実施し、①単元前後の児童の技能の変容、②下位教材と逆上がりの達成率の相関関係、③本実践中に逆上がりができるようになった児童の学習活動の様子(事例的研究)から検討することとした。なお、技能については、児童の動きを観察的に分析し、評価した。

 本実践の結果、単元前後の児童の技能の変容は、以下のとおりである。6時間目の逆上がりの達成率は、55.3%であり、1時間目と比較すると14.9%増加した。また、下位教材として扱った前回り下りの達成率は、95.1%であり、1時間目と比較すると10.6%増加、足抜きまわりは83.0%であり、1時間目と比較すると19.1%増加した。下位教材と逆上がりの達成率の相関関係及び本実践中に逆上がりができるようになった児童の学習活動の様子に関しては、当日資料にて報告する。

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© 2022 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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