日本静脈経腸栄養学会雑誌
Online ISSN : 2189-017x
Print ISSN : 2189-0161
原著
栄養不良入院患者の抽出を目的とするCONUT変法の検討
高橋 俊介高橋 治美井出 京子竹内 智恵子栗林 希代子新美 三由紀松島 凛太郎田中 司朗
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2016 年 31 巻 3 号 p. 827-834

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抄録
【目的】検査データによって栄養不良の入院患者を効率的にスクリーニングできる簡便な栄養評価基準として、Controlling nutritional status(CONUT)変法を設定し、その臨床的有用性を探索的に検討した。【方法】対象中の総コレステロール(T-Cho)測定率を求めた。CONUT法から入院中の依頼が少ない T-Choを除き、より依頼が多いヘモグロビン濃度(Hb)を加えた方法(変法)を設定し、さらに変法と CONUT法との栄養レベル判定の一致度、スコアの相関を求めた。【結果】T-Cho測定率は15.4%であった。変法と CONUT法の栄養レベル判定の一致度はκ=0.778、変法スコアと CONUTスコアの Spearman相関係数は rs=0.942であった。【結論】変法と CONUT法との栄養レベル判定の一致度、およびスコアの相関は共に良好であり、変法による評価は、ほぼ CONUT法同様に栄養不良の入院患者のスクリーニングに有用であることが示唆された。入院中に T-Choよりも検査依頼の多い Hbを用いることで、変法はより多くの入院患者の栄養スクリーニングが可能であった。
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© 2016 日本静脈経腸栄養学会
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