赤門マネジメント・レビュー
Online ISSN : 1347-4448
Print ISSN : 1348-5504
ISSN-L : 1347-4448

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

パワー・ダイナミクスと組織ルーチンの遂行的側面
経営学輪講シリーズ「組織ルーチンはどのように創られ、維持され、変化するの か―Howard-Grenville et al. (2016)」第7章
菊地 宏樹
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 0240110a

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

本稿はルーチンハンドブックの第7章の解説である。第7章においては、ルーチンの遂行において組織内のアクターのパワーがどのような作用をもたらすかを明らかにすることが目的とされている。これにあたり上司が部下の1年の働きぶりを評価する業績評価面談が事例として用いられている。三つの業績評価面談を事例として、その録画を行い、それに基づいて会話分析が実施されている。分析の結果、ルーチンの遂行にあたり、上司と部下のパワー関係により直示的側面からの逸脱が発生するか否かが変わってくる点が明らかとなった。ただ、本章もルーチン・ダイナミクスのパフォーミングに関する議論に偏ってしまっているため、真にルーチン・ダイナミクスの研究とするためには、パターニングの要素の有無を再検証することが求められると考えられる。

著者関連情報
© 2024 特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
feedback
Top