日本静脈経腸栄養学会雑誌
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原著
経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) 症例における胃食道逆流の発生率と胃瘻造影の有用性に関する検討
神崎 憲雄西村 道明相澤 悟佐藤 法子山口 宗之山田 由美子
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2016 年 31 巻 4 号 p. 981-985

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抄録
【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) 症例における胃食道逆流の発生率と胃瘻からの造影検査 (胃瘻造影) の有用性について考察した。【対象と方法】2009年4月から2014年3月までに当院で PEGを行った216例である。PEG後、胃瘻より造影剤50mLを含む水250mLを注入し、透視にて食道への逆流の有無を観察した。【結果】胃瘻造影の結果、胃食道逆流は37例 (17.1%) に認めた。このうち6例は特に症状を認めなかった。胃瘻造影にて逆流を認めなかった179例 (82.9%) のうち、7例は胃食道逆流に伴う嘔吐や誤嚥性肺炎を認めた。栄養剤注入後、食道への逆流に伴う症状は17.6%に認めた。胃瘻造影の、栄養剤の胃食道逆流に伴う症状に対する感度は81.6%、特異度は96.6%であった。【結論】高齢者の PEG症例において、胃瘻造影は栄養剤の胃食道逆流に伴う症状に対する感度、特異度とも高く、胃食道逆流の予測において有用と考えた。
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© 2016 日本静脈経腸栄養学会
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