日本静脈経腸栄養学会雑誌
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Print ISSN : 2189-0161
原著
シンバイオティクス併用ががん化学療法時の消化器症状に及ぼす効果
関 恭子岸井 加代子久永 文平手 ゆかり長島 章的場 是篤金丸 太一神前 雅彦三好 真琴宇佐美 眞
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2017 年 32 巻 1 号 p. 865-870

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抄録

【目的】がん化学療法施行時にシンバイオティクスを併用することで、消化器症状が軽減しさらにがん化学療法のコンプライアンス保持に繋げられるのではないかと考え検討を行った。【対象及び方法】肺、胃、大腸がん患者のうちがん化学療法を行った患者を対象として、シンバイオティクス服用群9例と非服用群9例間で、消化器症状の発現頻度、がん化学療法の減量および延期の有無、体重、エネルギーと栄養素摂取量、血中 DAO活性を比較した。【結果】服用群では Grade2以上の食欲不振の発現頻度が有意に低下した (p = 0.041)。服用群では、血中 DAO活性の低下が抑制され、コース終了時の体重が維持され (p = 0.048)、がん化学療法の減量および延期症例が少なかった。【結論】がん化学療法施行時にシンバイオティクスを併用することは、食欲不振の軽減、体重の維持、がん化学療法時のコンプライアンス保持に有用であると考えられた。

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© 2017 日本静脈経腸栄養学会
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