日本静脈経腸栄養学会雑誌
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Print ISSN : 2189-0161
原著
C型慢性肝炎患者のテラプレビルを含む3剤併用療法における栄養サポートの役割
冨永 久美城 夏子中村 ゆかり西本 初江大田黒 加代田代 賀子水足 謙介宮瀬 志保藤井 裕己藤山 重俊
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2017 年 32 巻 1 号 p. 858-864

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抄録

C型慢性肝炎患者のテラプレビルを含む3剤併用療法における食欲不振の実態調査と栄養サポートの役割を検討した。2012年1月から2013年5月に当施設で治療開始した連続する110例を対象に栄養サポートを治療終了まで行った。食欲減退の発現率は84.2%と高率で、治療2週目から3週目にかけて最も低下し、13週目以降は回復傾向を認めた。栄養介入により推定摂取エネルギー量は1356±388kcalから1485±353kcal (P<0.01)、脂質量は34.3±13.6gから43.2±10.7g (P<0.01) へ改善した。治療完遂率は94% (103/110)、中止率は4.5% (5/110)、転院2例、ウィルス駆除率は86.3% (95/110)であった。本治療では食欲不振が高頻度に発現するため、24週間の治療完遂には栄養サポートを含むチーム医療が重要である。

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© 2017 日本静脈経腸栄養学会
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