2017 年 32 巻 2 号 p. 971-976
【目的】保存的治療を行った急性胆嚢炎患者の血清アルブミン値回復遅延を予測する因子を検討した。【対象および方法】対象は保存的治療を施行した急性胆嚢炎患者69人(男性37人)で、平均年齢は76.4歳(29-99歳)。入院時と10日後の血清アルブミン値を比較、10日後の血清アルブミン値が入院時血清アルブミン値以上を回復群、それ以外を未回復(回復遅延)群とし、2群間で男女比、年齢、入院時血清アルブミン値、入院時CRP値、入院時白血球数、胆嚢炎重症度、糖尿病合併の有無、胆嚢ドレナージ施行の有無、初期輸液カロリー量、アミノ酸製剤投与の有無、を比較し回復遅延予測因子を検討した。【結果】全員入院後血清アルブミン値が低下し、10日後未回復群59人、回復群10人であった。2群間の比較では、年齢と白血球数に有意差を認めたが、多変量解析では男性、高齢が回復遅延予測因子であった。【結論】保存的治療を行った急性胆嚢炎において、男性と高齢は血清アルブミン値回復遅延の予測因子であった。