土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第41巻
応用一般均衡モデルを用いたアジア地域における温室効果ガス排出量削減策の分析
生津 路子藤森 真一郎松岡 譲
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2013 年 69 巻 6 号 p. II_359-II_370

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抄録
 本研究では,2050年に世界GHG排出量を1990年比半減する目標の実現可能性と,その社会経済影響を定量的に分析した.分析には応用一般均衡モデルを使用し,対象地域はアジアの主要10地域(中国,インド,インドネシア,日本,韓国,フィリピン,マレーシア,台湾,タイ,ベトナム)とした.
 結果から,国内削減のみを考慮した場合には日本と韓国を除いた8地域で排出量削減目標は技術的・経済的に達成可能である.日本・韓国においては国際的な排出量取引等の取り組みが目標達成に向けて必要不可欠である.また,目標達成に伴って経済的ロスが発生し,マレーシアを筆頭にタイ,インドネシア,ベトナム,中国にて10%以上のGDPロスが見られた.しかしながらこのロスを考慮してもGDPは現在と比較して増加し,経済発展は可能である.
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© 2013 公益社団法人 土木学会
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