2017 年 32 巻 3 号 p. 1199-1202
超高齢化社会の到来に伴い在宅医療の重要性が高まっている。在宅医療の推進には多職種連携が必要であるが、ケアマネジャーがケアプランを作成する際に各種専門職を確保する相談窓口がない等の問題があった。そこで京都市山科区では各種職能団体が協力し「山科地域ケア愛ステーション」を設立した。ケアマネジャーの相談に対して愛ステーションが情報を仲介し、各職能団体が専門職を紹介し、薬剤師等のメディカルスタッフが地域で円滑に活動できる体制を構築した。訪問薬剤師の業務内容を地域へ啓蒙し、病院薬剤師とHPN、HEN等の統一マニュアルを作成し、病院を含めた地域の医療・介護施設で手技が統一された。これらを用いることで病院薬剤師から訪問薬剤師へ効率良く情報が共有され、シームレスな在宅医療への移行が可能となった。この様な地域での薬剤師等のメディカルスタッフの活動を支援する体制の整備は、更なる地域医療の推進に繋がると考えられる。