2017 年 32 巻 4 号 p. 1372-1374
症例は42歳女性.29歳時骨髄異形成症候群のため同種骨髄移植.40歳時より呼吸困難出現.胸部CT上両側肺野容積減少,胸膜下に浸潤影を認めたが蜂巣肺は認めず.臨床経過,特徴的な身体所見,画像所見より特発性上葉限局型肺線維症と考えられた.呼吸不全進行のため人工呼吸管理開始後内視鏡的胃瘻造設術施行.胃瘻造設後順調な経腸栄養継続が可能となり,長期間の経腸栄養,呼吸リハビリテーション,人工呼吸管理を継続した.他院呼吸器外科へ相談後脳死肺移植登録し,肺移植待機とするも2年4ヶ月後に呼吸不全死した.特発性上葉限局型肺線維症は稀な症例であり,内視鏡的胃瘻造設術が長期の経腸栄養管理に有用であった貴重な症例と思われ報告した.