2018 年 33 巻 3 号 p. 869-874
【目的】胃瘻造設患者において高粘度の半固形造影剤投与時の胃食道逆流の頻度と食道裂孔ヘルニアの存在がどのように影響するか明らかにする。【対象・方法】内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行後2日以内の患者67例に粘度10,000mPa・sの半固形造影剤の投与を行い胃食道逆流の抑制効果について既報1)の粘度6,000mpa・sの効果と比較検討した。食道裂孔ヘルニアの合併による影響についても検討した。【結果】粘度10,000mPa・sの半固形造影剤の投与による胃食道逆流発生率は67例中9例(13%)で粘度6,000mpa・sの頻度66例中18例(27%)よりも低率であった。高度食道裂孔ヘルニアを有する症例では9例中4例(44%)に逆流を認めた。【結論】半固形造影剤の粘度を高めることにより胃食道逆流は有意に抑制された。しかし、高度食道裂孔ヘルニア患者では十分な抑制は困難であった。