日本静脈経腸栄養学会雑誌
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Print ISSN : 2189-0161
原著
胃瘻患者での摂食機能改善症例予測に関する要因検討
宮﨑 智徳井出 宏猪田 秀子堀内 美佳稲垣 清美中森 玲子
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2018 年 33 巻 3 号 p. 875-880

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抄録

「目的」胃瘻は、摂食嚥下訓練も進めやすく経口摂取が可能となる症例も経験する。当院での摂食機能改善例と非改善例においてpercutaneous endoscopic gastrostomy(以下、PEGと略)前の臨床背景及び嚥下造影検査所見videofluoroscpic assessment(以下、VFと略)を解析し、PEG後の摂食機能改善の予測因子について検討した。「対象及び方法」当院でVFを施行後PEG導入し、経過を追跡し得た16例を対象とした。PEG後摂食嚥下機能が改善した10例(改善群)と、改善の見られなかった6例(非改善群)の臨床背景とVF所見を比較検討した。「結果」単変量解析では、改善群と非改善群とで臨床的背景因子に有意差は認めなかった。VF所見に関して喉頭蓋谷残留所見のない(咽頭クリアランス可能)症例が、改善群に有意に多かった。「結論」PEG術前嚥下機能評価のVF検査において喉頭蓋谷残留所見のない症例は、摂食・嚥下機能改善がみられる可能性が高いと考えられた。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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