日本静脈経腸栄養学会雑誌
Online ISSN : 2189-017x
Print ISSN : 2189-0161
特集
ミキサー食のメリットと導入のポイント
鈴木 恭子八木 佳子小林 あゆみ矢本 真也福本 弘二渡邉 誠司
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 34 巻 1 号 p. 20-24

詳細
抄録

重症心身障がい児(以下、重症児と略)は、栄養管理上の問題点を多く抱える。栄養摂取経路は、摂食・嚥下障害のため経管になるが、経鼻胃管の例もまだまだ多く、ましてや長期間経腸栄養剤のみで管理されてしまう例も少なくない。近年、胃瘻を積極的に導入し、同時に、ミキサー食推奨の報告も多くなってきた。ミキサー食は、重症児によくみられる消化器症状や、食後高血糖にも効果があるほか、経腸栄養剤で不足しがちな微量栄養素や食物繊維の補給などにも有効である。また、糖質のコントロールや食物アレルギーの対応なども自在に行える。液状栄養剤と異なり、児に負担をかけず短時間注入も可能である。重症児の健やかな発育を援助し、胃瘻からのミキサー食のメリットを生かすには、管理栄養士による指導が不可欠である。

著者関連情報
© 2019 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top