日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
肝細胞癌合併症例における体外式造影超音波検査による下部食道粘膜造影能と内視鏡検査所見との比較検討
西山 竜小川 眞広荻原 章史安倍 久子阿部 真久松本 直樹中河原 浩史廣井 喜一大谷 豪田中 直英森山 光彦
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2009 年 15 巻 3 号 p. 221-226

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抄録
食道静脈瘤の診断においては,血流評価が重要である.一方体外式超音波ドプラ装置は造影検査の導入と装置の改良により,ある程度食道静脈瘤の血流評価が可能であることが分かってきた.そこで我々は,肝細胞癌合併肝硬変50症例に対し,内視鏡所見と造影超音波検査所見の比較を行い,造影超音波検査の有用性を検討した.F因子およびred color signとの比較検討により,造影超音波検査は治療適応の食道静脈瘤を高率に描出できることが確認された.造影超音波検査で下部食道の内腔が強く造影される症例は,治療適応のある食道静脈瘤の約90%に認められた.以上から造影超音波検査は,治療適応のある食道静脈瘤の存在を高率に把握できかつ,低侵襲であるため,臨床上有用であると考える.
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© 2009 日本門脈圧亢進症学会
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