日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
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総説
脾摘後重症感染症について
橋本 直樹
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2009 年 15 巻 3 号 p. 253-256

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抄録
近年,IFNの治療導入目的にて,血小板数7万以下のC型肝硬変症例に対しては腹腔鏡下脾臓摘除術が普及してきた.腹腔鏡下脾臓摘除術は安全に施行され,血小板減少を有意に改善し,IFN治療の導入継続を可能とした.しかし,脾摘をした症例においては,脾摘後重症感染症を念頭において十分注意しておかねばならない.本疾患はひとたび発症すれば救命はままならない.救命率向上のためにはなによりもまず発症を未然に防ぐべく,脾摘後患者に対して劇症型感染症が起こりうることを十分に認識させ予防策を徹底させることが重要である.そのためには,医療,患者両側面に対しての教育,啓蒙が重要である.本論文では,本症の病態と予防対策について文献的考察を中心に述べる.
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© 2009 日本門脈圧亢進症学会
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