日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
EVLおよびEIS後に早期再発をきたした食道静脈瘤症例の検討
—CTによる傍食道静脈の評価と早期再発との関連—
横山 恒横山 純二河内 裕介成澤 林太郎青柳 豊
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2010 年 16 巻 3 号 p. 104-109

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抄録
食道静脈瘤の内視鏡治療検討に際し,傍食道静脈 (PEV) がCTにて評価可能か,また,評価したPEVの所見と治療後早期再発との関連について検討した.2002年1月から2009年2月までに当科にて内視鏡治療され,経過観察可能であった食道静脈瘤症例42例を対象とした.PEVはDynamic CTで評価し,PEVの発達の程度により発達例と非発達例に分類した.治療6カ月以内の再発例を早期再発例とし,早期再発率を発達例・非発達例で比較した.PEV径の平均は早期再発群2.6 mm,非再発群4.1 mmで,有意差は認めなかったが早期再発群で細い傾向があった.また,早期再発は発達例18例中1例 (6%), 非発達例24例中9例 (38%) と発達例で有意に少なく,EVL群およびEIS群それぞれでも発達例では早期再発が少ない傾向であった.以上より,PEV発達の有無はCTでも評価可能で,内視鏡治療後早期再発の1つの目安になると考えられた.また,PEV発達例では再発率が低いため,より治療簡便なEVLでもEISと同等の治療成績が期待できることが示唆された.
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© 2010 日本門脈圧亢進症学会
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