日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
東北版「食道胃静脈瘤治療の標準化」作成の試み
井上 義博藤野 靖久小野寺 誠菊池 哲小豆嶋 立頼杉山 幸一入澤 篤小原 勝敏
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2010 年 16 巻 3 号 p. 119-126

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抄録
東北地方では昭和63年から食道・胃静脈瘤の治療に関するシンポジウムを毎年開催し,その中で最近注目されているのが,治療の標準化である.第16回日本門脈圧亢進症学会総会のシンポジウムのテーマが静脈瘤治療の標準化であったため,この機会に東北地方で行われている静脈瘤治療をまとめた.主な内容は1)治療適応を明確化し,臓器障害の目安を示す (EISでは総ビリルビン4 mg未満,クレアチニン2 mg未満,血小板2万/μl以上等を適応とする),2) 予防治療と緊急治療を分け,それぞれの治療指針を示す,3) 系統的な治療ができる施設とそうでない施設を階層化する,4) 超音波内視鏡や3DCTによる門脈血行動態の評価を確立し,実際の治療に反映させる (壁在傍食道静脈,並走傍食道静脈,貫通血管を把握し,血行動態に合わせた治療を選択する),5) 治療後の経過観察計画の目安を示す,6) インフォームド・コンセントを重視し,副作用を明記する,などである.
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© 2010 日本門脈圧亢進症学会
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