日本門脈圧亢進症学会雑誌
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臨床経験
分岐鎖アミノ酸(brached chain amino acid: BCAA)含有食品による就寝前栄養投与(Late Evening Snack: LES)の経験
堀田 直樹綾田 穣黒川 剛
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2011 年 17 巻 4 号 p. 174-177

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抄録
肝硬変患者における栄養療法として,BCAA製剤の投与に加え,エネルギー代謝異常に伴う早朝空腹時の飢餓状態を抑制するためにLES療法も推奨されている.今回,肝不全用経腸栄養剤により腹部膨満感を認め内服を拒否した76歳男性の肝硬変患者に対して,LESとしてBCAA含有食品(ヘパスII,(株)クリニコ)を投与し,2週間投与での早朝空腹時の飢餓状態(遊離脂肪酸は,投与前574μEq/lから1週目には268μEq/l,2週目には272μEq/l))の改善を認めた.また,副次項目として,栄養状態(BTRは,2.9から3.43と1週目に改善を認め,2週目には,3.34と低下は認めていなかった.Albは,3.4g/dlから4.0g/dlと1週目に改善を認め2週目は,3.8g/dlと軽度低下を認めた.Pre-Albは,投与前は,12mg/dlから14.8mg/dlと上昇を認め,2週目は,14.1mg/dlとほぼ変化を認めていなかった.レチノール結合タンパク(Retinol Binding Protein:RBP)は,投与前は,1.3mg/dlで1週目には1.5mg/dlと上昇を認め,2週目も1.4mg/dlと変化は認めなかった.)の改善も認めた.本栄養剤投与にては,腹部膨満の出現は認めず,継続して内服が可能であった.本食品は,125ml, 150kcalである.LESの推奨されている200kcalよりは50kcal少ない製品であるが,今後症例を増やすことにより,本食品での効果を検討する予定である.
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© 2011 日本門脈圧亢進症学会
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