日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
孤立性胃静脈瘤に対する予防的B-RTO後に肝不全を発症した1例
江口 英利太田 正之川崎 貴秀川野 雄一郎甲斐 成一郎田上 秀一清末 一路森 宣北野 正剛
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2013 年 19 巻 2 号 p. 140-144

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抄録
症例は62歳,男性.2年前にアルコール性肝硬変と診断され近医で肝庇護療法を受けていた.上部消化管内視鏡検査にて孤立性胃静脈瘤を認め,当科にて予防的にバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)施行した.治療終了6時間後より,III度の肝性脳症と消化管出血が出現し,翌日には肝性脳症はV度となり,B-RTO後20日目に死亡した.肝予備能が低下した症例に対するB-RTOの適応は慎重にすべきと考えられた.
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© 2013 日本門脈圧亢進症学会
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