日本門脈圧亢進症学会雑誌
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臨床研究
肝細胞癌に対する部分的脾動脈塞栓術併用肝動脈化学塞栓療法の臨床的意義
石川 達窪田 智之木村 成宏堀米 亮子本田 博樹岩永 明人関 慶一本間 照吉田 俊明
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2013 年 19 巻 4 号 p. 179-181

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抄録
血小板減少を伴う肝細胞癌に対し,部分的脾動脈塞栓術(Partial splenic arterial embolization: PSE)と肝動脈化学塞栓療法(transcatheter arterial chemoembolization: TACE)を同時施行した症例の検討を行った.対象は血小板減少を伴う肝細胞癌症例に対し,TACEと同時にPSEを施行した術前血小板数5万/μl以下の23症例である.平均脾梗塞率は55.19%であり,術前平均血小板値は4.41万/μlで,術後平均血小板値は7.58万/μlに上昇した.血小板の上昇により,RFAを含めた穿刺治療は可能となった.血小板減少のためにTACE,RFAが困難な進行肝細胞癌症例に対し,PSEを同時併用することで,血小板を増加させ,治療を継続することができ,集学的治療の一環としてのPSEの有用性が示唆された.
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© 2013 日本門脈圧亢進症学会
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